その日暮らしと日進月歩/2006-07-21 のソース

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**考え事のかけら
-''今、悔いることの意味''
はるか昔からここまで、場所が変わり、新たなあなたと出会うごとに、繰り返してきた。
~一人で居る時、あなたと交わす口づけに思いをめぐらした。
一人で居る時、あなたを抱き締める心地を思い描いた。
一人で居る時、とめどなく自慰を繰り返してきた。
~あなたと居る時、あなたの心に目を凝らすあまり、手を触れることさえ忘れてしまっていた。
あなたと居る時、あなたが誰かを想い誰かに抱かれる話を、気がつけば聞いていた。
あなたと居る時、あなたの空気がそばにあることだけで、気がつけば満足してしまっていた。
~繰り返して、膨大な時間が過ぎた。
欲情をほとばしらせてこそ健康なその時期を、なんの因果か重なり合うに至らなかった者。
 それは自分だけではなく。
そうして誰と受け止め合うこともなく無駄に垂れ流してきた時間を悔いる者。
 それもまた、自分だけでしかなく。
~そして確かに今、かつてとめどなく湧き出た欲情は、妙に落ち着きを見せはじめているらしい。
誰と交わし合うこともない間に、悲しくも。
~こうしてこの悔いを反芻することは、かつて自分であったものにトドメを刺すことなのか、とも思える。
相変わらず自分のままではあるけど。
確かにニガミが変わった。
確かに新たな味覚をいま覚えている。
確かに何かが進んでいると、このニガミはたぶん教えている。

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