Last-modified: 2006-04-04 (火) 00:56:23 (6591d)

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考え事のかけら

• 見失った衝動
  何年も前の話。
  確かに衝動に駆られて動いていた。
  一人で取り組んでいることがまったく苦にならなかった。
  でもある時期から、一人で取り組んでいるその時間に彩(いろどり)を感じられなくなったように思う。
  そしてその瞬間から、まるで魅力のように取り扱われていたものを、失ったように思う。

  一人はとても寂しい。
  かといって、人と一緒に何かに取り組んでいるときというのは、一人で重ねるべき「訓練と継続の時間」の確保がなかなかに難しい。
  寂しさに打ちひしがれて一人で取り組めなくなったのか？
  寂しくない暮らしなら、一人の取り組みを続けられたか？
  そうでもないよな、たぶん。
  一人でも取り組んでいられたその衝動が、唯一、人を引き寄せていた根源のように思う。
  その衝動を見失ってからというもの、人の時間をもらうことに遠慮するようになっていったように思う。
  一人で積み上げている何かを誰かと取引することによってやっと人と繋がっているような、そんな付き合い方しかできていないからであろうか。

  「顔洗って出直そう」
  そろそろそういう頃合いだろうか。
  この言葉に乗るには、ある種の信念のようなものが要るわけだが。
  信念にすがるために迷いから目をそむけるような、そんな事だけはしないように努めてきた。
  それだけに、この言葉を掲げるには、まだ自分の何も信じきれちゃいない。

  三寸先だけを繋ぐような日々はまだ続くだろうけど、少しだけ、一人の取り組みをどこかから始めてみようという気分になりつつある今。
  手を付けようにも、なんだか不安が付きまとう。
  少しずつでいいから、後押しをください。